空き家対策について、近所の家が空き家になっていくとが増えていっているなど身近な話題だと思います。まだ空き家になっていない家でも潜在的に空き家になる可能性が高いものも多くあります。相続の相談を受ける際も親の家をどうするか困っている方は多いです。さらに平成26年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下、空家法と呼ぶ)が成立して、空き家を取り巻く状況は変化していっております。
身近な問題だけれど、どのような対策をしたらよいか、これは行政も含め手探りで進めているのが現状です。なので、現状を把握したうえでそれぞれが知恵を出し合うことが求められるのではないかと個人的には思っております。そのために、少しでも現状についてお伝えできるようこれからお話ししていこうと思います。
データは少し古いのですが(調査が5年ごとのため)、以下が空き家の現状です。
【全国】空き家820万戸(空き家率13.5%)
【内訳】①賃貸用の住宅(429万戸)…賃貸用のアパートやマンション。いわゆる空室
②売却用の住宅(31万戸) …売却活動を行っている住宅。
③二次的住宅(41万戸) …いわゆる「別荘」
④その他の住宅(318万戸)…所有者が誰もいない、
↓ 一般的にイメージする「空き家」
本来問題とすべき空き家 318万戸(空き家率5.3%)
【島根】空き家4万4,800戸(空き家率14.7%)
【内訳】①賃貸用の住宅(1万2,900戸) …賃貸用のアパートやマンション。空室
②売却用の住宅(800戸) …売却活動を行っている住宅。
③二次的住宅(2,100戸) …いわゆる「別荘」
④その他の住宅(2万9,000戸) …所有者が誰もいない、
↓ 一般的にイメージする「空き家」
本来問題とすべき空き家 2万9,000戸(空き家率9.5%)
【松江】空き家1万2,630戸(空き家率13.4%)
【内訳】①賃貸用の住宅(5,660戸)…賃貸用のアパートやマンション。空室
②売却用の住宅(460戸) …売却活動を行っている住宅。
③二次的住宅(530戸) …いわゆる「別荘」
④その他の住宅(5,980戸)…所有者が誰もいない、
↓ 一般的にイメージする「空き家」
本来問題とすべき空き家 5,980戸(空き家率6.3%)
(2013年総務省「住宅・土地統計調査」より)
よく①〜④までの合計で空き家が増えたと言われることが多いですが、①〜③は管理がされている家ですので大きな問題とはなりません。(空室が一向に埋まらないとか、住宅が全く売れる気配がないといった問題も大事ですが、それはまた別で…)
一方、④こそ、問題です。管理がされず放置されることで家そのものが傷みますので、倒壊などの周辺への危険が考えられるからです。島根県は特に大きい割合を占めています。④の割合の大きさは全国で2位のようです。なので、島根県はもちろん松江市も④の空き家に対し、今後増大しないように対策を立てていくことが求められていると思います。どうして④のような空き家が増えるのか、このことについては今後お話ししていこうと思います。
次回は、空家法で認定される「空き家」の認定基準などについてお話ししたいと思います。